喉の病気

喉頭

喉頭(喉ぼとけ)は声帯を含んだ臓器で、下咽頭の前方にあり、食道と気道を分けています。口から気管、肺につながる空気の通り道で、食事の際に飲食物が肺に入らないよう、気管に蓋をしています。声帯による発声機能も担っています。

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扁桃炎・扁桃腺炎

扁桃炎とは口蓋垂(こうがいすい:喉ちんこ)の左右に1個ずつある口蓋扁桃が、ウイルスや細菌によって急性の炎症を起こした病態です。

 

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喉の異常感・声のかすれ

喉の使い過ぎによる一時的な異常感や声のかすれは心配ありません。しかし、そうした状態が何ヶ月も続く場合や、徐々に進行する場合、また反復して起こる場合などは、原因を特定するために、耳鼻咽喉科医にご相談ください。

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口腔乾燥症(口の乾き)

口腔乾燥症とは、唾液分泌の低下によって口が異常に乾いた状態のことで、“ドライマウス”とも呼ばれます。広い意味での口腔乾燥症は、唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状のすべてを指します。
 

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喉頭がん

最も多い声門がんではほぼ全ての方に嗄声(声枯れ)がみられます。がんが進行すると声門が狭くなって呼吸困難が現れてきます。痰に血液が混じることもあります。

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喉頭とは

喉頭(喉ぼとけ)は声帯を含んだ臓器で、下咽頭の前方にあり、食道と気道を分けています。口から気管、肺につながる空気の通り道で、食事の際に飲食物が肺に入らないよう、気管に蓋をしています。声帯による発声機能も担っています。

喉頭がんの症状

がんがどこに発生するかにより初発症状は異なってきます。最も多い声門がんでは、ほぼすべての方に嗄声(させい:声がれ)が見られます。この嗄声は雑音の入った、ざらざらした、かたい声です。1ヶ月以上嗄声が続くようなら、早急に専門医を受診することが大切です。がんが進行すると嗄声はさらにひどくなり、声門が狭くなって息苦しいなどの呼吸困難症状が現れてきます。痰に血液が混じることもあります。声門上がんの初発症状は、いがらっぽさ、異物感、食物を飲み込んだ時の痛みなどです。

また、次第に耳に放散する痛みが生じてきます。がんが進行して声帯に広がると嗄声が現れ、さらに進行すると声門がんと同様に呼吸困難などの症状を呈します。声門下がんの場合は、進行するまで無症状なため、発見が遅れることも少なくありません。喉頭にがんなどの所見がみられず、嗄声が持続する場合は、甲状腺や食道の精密検査を行うことが大切です。なお、喉頭がんの主な原因は喫煙、および過度の飲酒と言われます。

喉頭がん検診

喉頭がんの初期症状として、多くは声がれを訴えます。喉の違和感や痛みなどの症状も1ヶ月くらいしても治らない方には受診をお勧めします。検査にあたっては、ファイバースコープを鼻から入れて、咽頭・喉頭を観察し、上~下咽頭がん、喉頭がん、声帯ポリープなどの鑑別を行います。鼻腔を局所麻酔したうえで、鼻から軟性のファイバースコープを挿入し、喉頭内を直接あるいはモニターで細かく観察し、がん病変の有無などを確認します。この検査では、1ミリ程度の小さながんまで発見することができます。痛みはほとんど無く、5分ほどで終了します。

扁桃炎(扁桃腺炎)について

扁桃炎とは口蓋垂(こうがいすい:喉ちんこ)の左右に1個ずつある口蓋扁桃が、ウイルスや細菌によって急性の炎症を起こした病態です。健康な人でも、扁桃にはもともと、いろいろな細菌が潜んでいます。しかし、風邪ウイルスの感染や疲労がきっかけとなり、いつもはおとなしくしている細菌が悪さを働くと、急性扁桃炎を発症します。風邪様の症状(高熱や寒気、頭痛、全身倦怠感、関節痛)と強い咽頭痛が現れます。喉の奥を見ると、両脇が赤く腫れていたり、白い苔のようなもの(白苔)が付着していたりする様子が観察できます。これが扁桃炎の特徴的な所見と言えます。

扁桃炎の治療

細菌性の扁桃炎の場合には、一般に抗生剤が投与され、症状を和らげるためには解熱薬や消炎鎮痛薬、うがい薬などが処方されます。ウイルス性の扁桃炎の場合は通常、風邪をひいたときと同様の治療を行います。解熱剤を服用し、よくうがいをし、安静にすることで、通常は1週間程度で治ります。

手術を勧めるケース

さて、なかには急性扁桃炎を何回も繰り返すケースがあります。これを「習慣性扁桃炎と言いますが、年間4~5回以上も反復するようなら、全身に及ぼす影響が大きいため、そうした方には扁桃摘出術をお勧めいたします。また、この習慣性扁桃炎以外にも、扁桃炎が原因となって重い病気を引き起こすケースなど、手術をしたほうが良い場合がありますので、くわしくは耳鼻咽喉科にてご相談ください。

喉の異常感・声のかすれ

喉の使い過ぎによる一時的な異常感や声のかすれは心配ありません。しかし、そうした状態が何ヶ月も続く場合や、徐々に進行する場合、また反復して起こる場合などは、原因を特定するために、耳鼻咽喉科医にご相談ください。扁桃炎や咽喉頭炎、気管支炎など、よく見られる喉の病気のほか、声帯ポリープや悪性腫瘍、ぜんそく、アレルギーが関連している場合もあります。脳・脳神経の変性疾患や腫瘍などによって喉の感覚異常や運動障害が生じていることもあります。

とにかく原因は多岐にわたり、場合によっては重い病気のシグナルであることがあります。例えば、下記の喉頭がんの症状としても、喉の異常感・声のかすれは特徴的ですので、十分に注意する必要があります。

口腔乾燥症(口の乾き)

口腔乾燥症とは、唾液分泌の低下によって口が異常に乾いた状態のことで、“ドライマウス”とも呼ばれます。広い意味での口腔乾燥症は、唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状のすべてを指します。軽度では主に口の中のネバネバ感やヒリヒリ感が生じ、虫歯ができ、歯垢を増加させ、口臭をもたらします。重度になると、唾液分泌量が低下して口腔内の乾燥が進行し、強い口臭、舌表面のひび割れ、痛みによる摂食障害、会話しづらいなどの障害も現れてきます。場合によっては、不眠をきたすこともあります。

平均的な唾液の分泌量は、1日あたり約1~1.5Lで、口の中にある唾液腺という部分から湧き出し、口の中の食べかすを消化器官へと洗い流してくれます。また、唾液には抗菌作用があり、口腔内の雑菌の繁殖を防いでくれています。そのため、唾液が不足して口が乾くと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。口臭の原因にもなってしまいます。

口腔乾燥症の原因

口腔乾燥症の原因としては、薬の副作用(抗うつ薬、鎮痛薬、抗パーキンソン薬、降圧薬など、多くの薬物の副作用として唾液分泌の低下がみられます)、糖尿病、シェーグレン症候群(唾液腺、涙腺などの外分泌腺が萎縮し、口と目が乾燥する自己免疫疾患)、年齢的なもの(年齢とともに口や顎の筋力に低下・萎縮が起こり、唾液の分泌量が低下します)、ストレス(ストレスがかかったり、緊張したりすると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます)、口呼吸(鼻炎などの鼻疾患や習癖などにより口で呼吸をしていると唾液は蒸発してしまい、口が乾きます)などがあります。

口腔乾燥症の治療

治療としては、生活指導や対症療法が中心となります。保湿性薬剤や保湿力の高い洗口液、保湿ジェル、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース、夜間義歯などを症状に応じて処方します。積極的に水分を補給するのも、効果的です。口の乾燥がひどくて我慢できないようなら、口腔乾燥症に詳しい医師にご相談ください。